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はじめて物語

昨年の11月19日(土)、麻生で活動している邦楽グループ『三曲あさお』の第18回定期演奏会に、麻生女声合唱団が賛助出演させていただきました。全麻生女声メンバー、ピアニストの熊本さん、銀の会ピアニストの木谷さん、そしてIZUMIさん、と総力を挙げての出演です。 
すでに『コンサートレポート』にも入てありますが、お正月らしい画像として『ひとりごと』でもお届けしましょう。

“三曲あさお”の皆さんの素晴らしい演奏が続いたあと、麻生女声合唱団登場。
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尺八の船明(ふなぎら)先生の指揮指導のもと、会場の皆さんと童謡・唱歌を4曲演奏しました。
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そしてフィナーレは出演者全員が舞台に上がり、いよいよ『千鳥の曲』の演奏です。
『千鳥の曲』、もとは琴と胡弓のために書かれた日本古曲だそうですが、のちに尺八のパートが加えられました。そして今回は、合唱界では有名な作曲家川崎絵都夫先生が更に女声合唱部分を編曲され、邦楽と洋楽の、多分本邦初共演(多分・・・)と相成りました。
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麻生女声としては、成功率50%(リズムが難しくて、一ヶ所コケると皆コケる・・・)で臨んだハラハラドキドキの本番でしたが、何とか無事に最後まで歌うことが出来、ほっとしました。
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そうそう、こんな話がありました。それは三曲あさおの皆さんと麻生女声の合同練習の時のこと。

『千鳥の曲』の前半は、筝曲の女性陣がお琴をつま弾きながらしっとりと日本情緒を唄い上げ、そこに尺八も加わって、次第に大合奏に発展していくところが大きな見せ場です。ところが尺八の音で歌声がかき消されてしまう箇所がありました。
すると尺八のおじさまが、やおら演奏を止め、「これじゃあ山田の唄が聴こえないなぁ」と言い出したのです。
「ええっ、女性に向かって呼び捨て?!」
「山田さんってどの人?」
「名指しで言われて可愛そう!」
普段ナァナァで練習している(?)麻生女声のみなさん、サーッと凍りつきましたよ。

・・・お琴は山田流と生田流が混じって演奏していること、その部分は山田流の方々のソロで、おじさまの発言は「山田流の唄が聴こえなくなるから尺八の音量を落とそう!」という意味だった、と数日後の麻生女声の練習の時にやっと判明。知らないって恐ろしいですね、おじさま、誤解してすみません・・・。

でも、練習を重ねるにつれ、日本の伝統文化の奥深さを知り、東西文化の交流の大切さを考えさせられる貴重な経験となりました。
三曲あさおの皆さん、麻生女声の皆さん、楽しかったです、どうもありがとうございました。

麻生女声が邦楽とコラボしたのも初めて、『千鳥の曲』に女声合唱が入ったのも初めて、こんなに尺八を間近で見るのも初めて・・・
でも、なんと言っても、中学の合唱部時代から数えて音楽生活四十数年、紋付ハカマの指揮者で歌ったのは、この時が初めてでした。
by izumihitori | 2012-01-07 23:55 | コンサート